DATE: CATEGORY:スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
DATE: CATEGORY:楽器演奏
「抱えてみようね。」

「うん。」

背後から楽器を見つめていると、白い調節リングと空気ボタンが可愛らしく見え、すごくワクワクしていました。
お兄ちゃんに抱っこしてもらい、立ち膝状態になりました。背負いベルトを持って、ボタンが左になるよう楽器を立てました。両腕を背負いベルトに通すと、ブカブカでした。お兄ちゃんは、バックルの長さを調節してくれました。終わると、お兄ちゃんは私と面と向いました。

「鍵盤見える?」

「ほら、だいじょうぶ。」

親指をドにあてながら答えました。小2当時、私の上半身は約48.3cm、楽器の鍵盤部分は42cmなので、ゆとり6.3cm。鍵盤がやや斜めになり、胸板にいい感じでフィットしていました。

「ビラビラを動かさないと遊べないよ。左手をここに通して。」

「うん。」

お兄ちゃんは蛇腹のことを赤ちゃん言葉でビラビラと言いました。左手バンドを通すと、リングをくるくる回して、隙間を調整してくれました。

「手首、きつくない?指先を動かしてみな。」

「動くよ。」

「じゃあ、これ探してみな。」

お兄ちゃんは、空気ボタンをパチンパチンと音を立てて操作していました。

「うん。ここ穴が開いているんだね。」

親指と人差し指の先端を突き出し、手の平を共鳴ボード上で動かし、空気ボタンの在り処を探りました。手の平にグリルの模様が触れると素敵だと思いました。

「ここから音が出るんだよ。」

「うーん。(手のひらをゆっくり動かしながら)ほら、あったー。豆粒みたい。」

見つけるとお兄ちゃんに弾むように言い、指先を丸めて側面をギューッと摘み、撫でていました。すぐに親指の先端をボタンの頭に当て、お兄ちゃんがやったようにパチンパチンと音を立ててリズムを作り始めました。

「ホックを外してごらん。」

「うん。」
(カチッカチッカチッカチッ)

右手を鍵盤から離し、指先で蛇腹止めを外し、本体側の控えに止めました。ホックが固いので外すのも止めるのも力が要りました。左の親指と人差し指の指先は、空気ボタンの側面を挟んだままにしていました。腋の下をピッタリつけて蛇腹が開かないようにしていました。

「立っちしてごらん。」

「はい。」

「椅子のところまで歩ける?」

「頑張る。」

重さに耐えながらよたよたと楽器を抱えて歩いてみると、背が伸びたことに嬉しさを感じていました。

「座ろう。」

「はーい。」

椅子に腰掛け、鍵盤が股間に挟まるようにしました。

「ここの力抜いて。コチョコチョ。」

「くすぐったい。」

「挟んでいるボタン押してみな。」

「うわぁ。開いて来たね。」

お兄ちゃんに微笑みかけながら手の甲をダラーンとさせました。ベース部の重みで蛇腹が自然と動き始めました。

「肘を上げてみな。」

「あぁ、閉じてきたね。」

「空気ボタン押しながら何度もやってみな。」

「開ーいて♪閉ーじて♪きれーい、きれーい♪また開ーいて、また閉ーじて♪」

右指先を襞に触れて歌うようにお兄ちゃんに話しかけていました。慣れてくると長短をつけてボタンを押し離しし、「シュッ、シューッ」という空気の流れに耳を澄ましていました。やがて、ボタンの押し方に合わせて、蛇腹の押し引きの長短を合わせていました。右鍵盤に慣れていた私の興味は、左サイドボードに並ぶボタンに移っていきました。
スポンサーサイト
コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する


copyright © 2018 よっちゃんの部屋 renewal all rights reserved.Powered by FC2ブログ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。