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DATE: CATEGORY:楽器演奏
夏休み中でも、我が家には厳しい掟がありました。6時起床、洗顔、歯磨き、朝食を一家で揃え摂る。母とともに仕事に出かける父を玄関で見送り、その後、母は食器の片付け洗浄。自然に私も手伝うようになりました。共働きを始めた母は、市内まで通勤。バス停まで見送りに行きました。母が乗るバスは、当時としてはもう珍しくなってしまったボンネットバスでした。バス会社の社宅まで泊まり運用でやってきたバスが、運転士さんと車掌さんを乗せ、大きなセルモーター音とディーゼルエンジン音をかき立てバス停に移動し始め、始発便となりました。

夏休みの宿題を10時頃までの朝の涼しい時間帯に終え、鍵をかけ、母の帰宅時間までお兄ちゃんの家で遊んでもらうようになりました。

「アコーディオン、弾いてもいい?」

お兄ちゃんに甘えるように言いました。

「いいよ。」

演奏準備の一つ一つを自力で丁寧にやってみました。押し入れのふすまを開け、渾身の力を振り絞り、ケースを持ち運び、畳に横置きしました。フックを開け、蓋を持ち上げ、本体の左右をしっかり持ち、ベース部を下にして横置きしました。ケースを閉め、押し入れにしまいました。楽器の左右を確認して、本体を胸元に抱えました。背負いベルトの長さを確認して、左右の肩に通しました。左手首を蛇腹バンドに通し、リングを右手で回し、隙間の調節を終えました。
 
「ほら、見て。抱えられたよ。」

「しっかり出来たね。」

あぐらをかき、体をお兄ちゃんの方に捻り、左手のひらを得意そうにピンと伸ばして見せました。

「空気ボタン。だいじだよね。」

親指と人差し指を突き出し、指先をやんわりと丸めてピクピク動かしていました。

「ビラビラを動かしてないと音が出なくなるもんね。」

肘を上に動かし、空気ボタンを探る仕草をすると、お兄ちゃんは微笑みかけながら指先に触れてくれました。

「ほら、こーんなに凹んだ。」

空気ボタンが見つかると側面を挟み、親指を素早く先端に移しギューッと押し込みました。ボタンか共鳴板の奥に隠れるように親指と人差し指をぴったりつけました。

「そうだね。」

手のひらで共鳴板を押さえながら、右手で上下の蛇腹止めホックを外しました。ボタンを凹ませたまま、ゆっくり掌の力を緩め、手の甲に力を加えました。蛇腹が扇形に広がり始めました。指先を押し離しし、リズムを作りながら蛇腹をいっぱいに開いていきました。本体から出る木、鉄、皮革、松ヤニなどの混じった甘い臭いが心地よく感じられました。開き切ると手首を戻してリズムを作りながら蛇腹を閉じていきました。知っている歌をハミングしながら、今日はどんな弾き方をしようかなぁとイメージを膨らませていました。

知っている曲の最初のキーをいろいろ変えて、黒鍵を増やしたり、減らしたりして弾いて遊び始めました。右手の音を1音1音伸ばしながら左手の1列目と2列目を使ってメロディーを追いかけて合わせていました。結構な頭脳プレーになっていきました。亡き横森さんは「歌って踊って大合戦」「こんばんは親子です」「お笑い頭の体操」といった人気番組で歌伴をやっていました。歌い手に合わせて色々な調子に対応して伴奏するのが、すごいと思い、憧れていました。音域を広げたいなぁとチャレンジ精神旺盛でした。
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