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DATE: CATEGORY:あかりの思い出
新しいもの好きな私は、N-35へ興味が移りました。

「白いのも点けてみたい。」

「クリームだよ。」

「クリーム。」

「そう。」

N-9を転がらないように机の上に置くと、今度は母にだっこされずにN-35を取りたくなりました。母といっしょに、茶の間のかもい下にイスを持ってきました。

「よいしょ。」

「乗っかってごらん。」

「はい。」

籐製の座面にはい上がり、ひざまずきました。

「立っちして。腕伸ばして。」

母は、私の両足をしっかり押さえて伸びをせました。

「取れた。」

「しっかりにぎにぎして、おんりするよ。」

「はい。」

胴体を右腋の下にしっかり挟み、座面にひざまずきました。

「ドンしないようにね。」

そのまま足をブラつかせ、左手をついてゆっくり着地しました。

「フック止めて。」

「はい。」

胴体後部を左手のひらでおさえながら、右人差し指で、フックを止めました。

「この紙剝がして。」

「はい。」

爪を立てて後部の帯封を外しました。

「中身入れてみるよ。」

母といっしょに畳に跪き、引き出しを開けるとプラケースがありました。

「いちぱん下だね。」

「ここに中身と球が入っているから覚えておいてね。」

「単一?」

「そうだよ。」

「うーん。」

「にぎにぎして蓋を開けてみよう。」

「出来た。」

「じょうずじょうず。おへそ前にして、中身入れたら、蓋を回してみて。」

「はい。(クルックルッ)堅い。止まった。閉まったよ。」

「今度は球を見てみようね。レンズの輪っかを持って回してごらん。」

「こう。(クルックルッポン)外れた。」

バネの力で飛び出そうになると、指先でしっかり受け止めました。

「レンズと鏡と青いフチが出てきたね。」

「うーん。」

「逆さにしてを輪っかを外してみな。」

「出来た。」

「フチとレンズを外してみな。」

フチの裏をゆっくりめくってみました。

(ガリッ)

「外れた。かたーい。」

「レンズ、ここに置いて。」

「はい。」

(ピン)

「鏡に豆球がついているね。かざしてみな。」

「はい。」

「線がつながっている?」

「つながっている。」

「こうなっていれば、おいた出来るからね。」

「わかった。」

「鏡を持って豆球を外してみな。」

(クルックルッポン)

「外れた。」

「部分品がなくならないように机に置いてね。」

「はい。」

「順番思い出して。戻してみな。」

「はい。鏡に豆球。(クルックルッポン)出来た。前にレンズと青いフチ。(ガリッ)はまった。それから、輪っかに入れて回して。(クルックルッグッ)止まった。」

「がんばったね。」

「にぎにぎしてみるよ。ぼら。」

右手のひらだけで胴体を握ると、母に筒先を向け、得意げに親指と人差し指でボタンを挟みました。

「やったね。」

「お母さん、点けてもいい?」

「いいよ。」

母に筒先を向けたまま親指をスライドに移しました。

(カチカチッ)

「『オレは光を投げるのさ。』エイッ !」

当時流行していた『柔道一代』の節を歌って、ごきげんでした。

「まぶしい!やったな。点いたね。」

(ウフフ・・・)母はまぶたを覆って微笑んでいました。

「行き過ぎちゃった。」

スライドが常時点灯になってしまい半べそ気味でした。

「ボタンおいたしても消えないね。」

(ギュッパチンギュッパチン・・・)

親指と人差し指でボタンを挟むと、親指を真上に移してリズミカルに動かして遊んでいました。

「うーん。」

「スライド戻してみな。」

「はい。」

親指をスライドに移し、ゆっくり下げてみました。

(カチッ)

「止まった。消えた。ボタンおいたしてみるよ。」

(ギュッパチンギュッパチン・・・)

ボタンを親指と人差し指で挟むと、親指を真上に移し、リズミカルに動かしていました。

「ああ、ピカピカ出来る。」

「そうだね。スライドをもう一つ戻しててみな。」

(カチッ)

「止まった。消えた。ボタンこーんなに凹んでいるね、」

(ギューッパチンギューパチン・・・)

スライドを戻すと、親指と人差し指を窄めたり広げたりしてバネの弾力を楽しんでいました。

「いい音だね。」

「うーん。」

「どっちにするの?」

母はいつも口癖のように尋ね、N-9とN-35の好きな方を選ばせてくれました。

「クリーム。」

「じゃぁ、赤いのはないないしよう。おばあちゃんが使うからね。」

『使ったらその場で片付ける。』というのが母のしつけでした。N-9をテーブルから取り、イスに乗り、フックを引き出すとヒートンにかけ、イスを机の部屋に戻しました。
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